2019年2月16日土曜日

探鑛は専門家の独占的技術に非ず

素人にも發見は可能である

という「素人手引金銀鑛脈発見法」という本を見つけました。
なかなかおもしろい本です。
この本の序文、その一部(↓)です。
この序文には、
 この非常時局を克服する道として、新鑛脈の發見に努力することは、國策に貢献する所以の一たるを失はぬ
とあり、この時代の〝空気〟を感じることができます。
この本は、日本が大きな戦争に突入していく前夜といってよい昭和10年代に発行されています。
いま、鉱山のことを調べているのですが、その多くが敗戦後まもない時期に閉山しています。
戦時中における国策として、あちこちで鉱脈探しが行われ、運よく鉱脈が見つかれば、試掘を経て採掘へ・・・ということで、多くの鉱山が誕生したのだと思いますが、鉱脈が細かったり、期待していたとおりの鉱脈でなかった鉱山は、敗戦とともに国策としての役割を失い、次々と閉山していったのではないかと思われます。
つぎの
 東京鑛山監督局管内 鑛區一覽(昭和十五年七月一日現在)
によれば、群馬県内の多くの鉱山が試掘、採掘をしていることがわかりますが、その鉱山がどこにあって、どのような稼行状況であったかなどについては、いまとなってはまったくといってよいほど不明です。
さて、「素人手引金銀鑛脈発見法」ですが、どのようなことが書かれているかといいますと・・・
これ(↑)は、目次の一部です。
金鑛發見の要訣三項目とか金鑛發見の端緒と暗示など、なかなか興味をひくことばが並んでいます。
以前、
 地形で鉱山を見つける
   鉱山地帯はたいがい  左前の地形になっとるそうじゃな
で紹介しましたが、「素人手引金銀鑛脈発見法」では、江戸時代の鉱山書「山相秘録」も紹介してあって、金銀などを見つける手引き(案内)として、とても行き届いた編集になっているといえるかと・・・、私はそんなふうに感じました。
「素人手引金銀鑛脈発見法」を研究して、金銀の鉱脈探しをしてみるのも楽しいことではないかと思いますが、ここでひとつお願いを。

① 鉱山跡地などへは、土地所有者・管理者の承諾を得てから入ってください。
② 鉱物などを採集する際は、土地所有者・管理者(たとえば、河川内の場合は、河川管理者)の許可を得てください。
③ 樹木をいためたり、植物を踏み荒らさないようにしてください。
④ このほか、土地所有者・管理者・地元の方々の迷惑になることはしないでください。

ぐんま鉱山研究会では、地元の皆さんとともに活動することを基本-地域密着-として、鉱山跡地の所有者の方をはじめ、地元の関係者のご了承、ご理解を得て、鉱山跡地での調査・鉱物採集、資料収集などを行っています。     【本多】

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